外洋計測委員会概要
日本国内における運用
世界的には、外洋艇のレーティングシステム、IRCとORCに2種類が大勢を占めています。
現在、ほとんどの国内のレースに於いては、IRCのシステムが採用されています。
これらの実態を踏まえ、IRCを日本のメインのレーティングシステムとして行く事が合意されています。
外洋計測委員会 目的
国際クラスを国内で普及させ、ハイレベル、安全、公平、公正なヨットレース活動を支援し、レース参加者に公平感を与えるレーテイング・ルールを提供することを目的とする。
方針の概要
- 国内フリートの規模を最大限に維持できるよう、クラスを選択し普及させる。
- あらゆる面での効率の良い運営に努め、不必要な経費を抑える。
- 計測技術の蓄積し、情報を公開する。(メジャラーの統一、計測マニュアルの整備)
IRCのしくみ
IRCは英国のRORC(www.rorcrating.com)と仏国のUNCL(www.uncl.com)が開発・管理しています。
IRCはレーティングシステムでありハンディキャップシステムではありません。
つまり、ボートの物理的なパラメータを、公にされていない数学モデルを使い、さらに経験的要素を盛込む形、
しかしその経験則も客観的な手法に置き換えることで、公平なレーティングを与えようとしています。
タイムオンタイム方式
IRCは各艇に対し、TCC(IRCタイムコレクター)と呼ばれる唯一の係数を与えます。
このTCCがその艇の持つ性能を表し、この係数をレースの所要時間に掛けることにより、修正時間が求められ、レースの順位を決めることになります。
ブラックボックス
先に述べたように、IRCの核心部の計算式は公にされていません。
このことにより、デザイナーがIRCの中味を吟味し、不当に有利なレーティングを得るための不健全な艇開発の可能性を絶つことが出来ます。
ノーマル証書とエンドースド証書
IRCは艇の物理データをオーナー申告という形で受け入れることにより、手軽な証書の取得を可能にしています(ノーマル証書)。
一方、より精度の高い申告に対し、エンドースドと呼ばれる証書を発行し、IRCのデータベースの質を高めると同時に、レース主催者が参加艇の資格として通常かエンドースドのいずれかの証書を要求するといった選択も可能にしています。 通常このエンドースド証書は、公認メジャラーによる計測値の申告に与えられます。